宮崎県 ,都城市, 小林, ハートム, NPO法人, １日３０人と話そう会, 自殺の問題

　

今回は、NPO法人・こばやしハートムの尾崎さんにお話を聞いてきました。

こばやしハートムができたきっかけを教えてください。
「平成１８年７月頃、高原町で自殺予防のフォーラムがありました。
　そのとき、誘われて出席しました。ご存知の方も多いと思いますが、宮崎県は自殺率が多いんです。西諸も多いです。
　このフォーラムを機会に、“一日３０人と話そう会”を始めました。
　６年前に、スペインに行ったことがあるんですが、スペインでは「一日150人と話そう」という諺があるんです。
　夕方になると人がどこからともなく集まってきて話をするんですね。 　それが印象に残っていたので、自分たちでもやってみようと思いました。
　昔は、日本でも人が集まって夕涼みをしていたように思います。
　そうした場所を設けたいと思いました。
　人をケアするというよりは、自分が自殺しないように皆でケアしあうという感じです。」

　「話を続けているうちに、何人もの自殺をしようという人に合いました。
　　手紙を貰ったり、直接自宅に行って話を聞いたりしました。
　　本当に、自殺の問題は深刻で、町全体で取り組んでいく必要があります。」

　「“一日３０人と話をしよう会”を続けているうちに、
　　いつものメンバーばかりが集まってしまって、広がりがなくなったのと、
　　信用を得るために、ＮＰＯ法人を立ち上げることにしました。

　　まだ活動を始めたばかりで、１０人ほどの会員で始めています。
　　話をするということを通じて、地域活性化になればと思っています。」 　

　「宮崎県の自殺者は、昨年３２０人前後でした。
　　宮崎県は、自殺率は３年前がワースト３位。
　　２年前がワースト４位です。
　　その中でも小林、西諸はトップクラスです。
　　特に、５０代以上の男性が多いです。」

　「自殺は、鬱（うつ）との関係も大きいです。
　　色々な悩みが積み重なって、鬱になります。
　　原因は、やはり経済（お金）のこと、健康、人間関係が複合的にからんでいます。
　　自殺は、家族もわからないということもあります。
　　前日に、集会であったのに自殺をしてしまった方もいました。」

残された家族のケア
　「これだけ自殺が多くなると、その周辺で、自分のせいだと思っている人も沢山いることになります。
　　今では残された家族のケア、周辺の方のケアも重要と考えるようになりました。
　　残された家族や親族は、もう触れて欲しくない、人と話したくないとなってしまいます。
　　本人たちも、周囲の人も自殺に偏見がまだまだあります。 　
　　人に知られるのを非常に嫌います。
　　そして、ケアする方も、人の気持ちに土足で踏み込むようなことになるので、非常に難しいです。」

同じ境遇をもっている人たちでわかち合う。
　「京都などでは、自死遺族の会ができていて、ケアの場所が確立されています。
　　家族で自殺を経験された方々が、先生になって、自らの経験を話すことで、同じ気持ちを共有できます。
　　これからは、そうやって親族の自殺を乗り越えて、たくましく生きていく人を育てられたらと思います。」

　

お茶を飲んで、掃除をして汗をかく。
　「とにかく体を動かすことがいいということで、お茶を飲んで掃除をするということをしています。
　　ボランティアでやるからよかったら手伝ってと言って、呼びかけています。
　　小林には、陰陽石という観光地があるのですが、ここを今までに２回、掃除しました。」

それでは最後に

　　「気軽に話をすることのできる場所を用意しています。是非、話をしにいらしてください。」

　

　
　本田さんと、尾崎さん夫妻。

　

　ついでといっては、なんですが、本田さんという素晴らしい女性の話を一つ。
　この日、一緒に話をして下さった、本田さんは、洗濯物をつめたビニル袋を１０個も車に積んでいました。
　６０～７０歳になる本田さんは、「たんぽぽ」という活動をされています。
　介護の隙間をうめるボランティア活動で、入院している方の洗濯物を自宅で洗ってあげています。
　近年、介護制度が整いつつありますが、弊害も沢山でてきました。
　自宅で介護保険をもらいながら生活している人が、入院すると、介護保険はもらえなくなります。
　入院する以前は、介護保険で衣類の洗濯をしていたのに、入院すると、まず困るのが衣類の洗濯です。
　要介護の人は、自分で洗濯ができません。
　そこで、たんぽぽでは、１回５００円で洗濯しています。
　病院までとりに行って、自宅で洗って、また病院まで持っていくのです。
　本田さんの団体「たんぽぽ」は、衣類の洗濯を通じて、様々な介護サポートの活動をされています。
　旦那さんを病院に預けていると、少しずつ奥さんがパニックになって、先生に呼び出されると不安になります。
　そんなときに付き添ったり、お留守番をしたり、夜中に電話があって駆けつけたこともあります。

“衣類の洗濯”という身近なことを通じて、介護のすきまを埋めている「たんぽぽ」の本田さんでした。

　

　

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インタビュー・取材一覧

・古来日本でつくられていた乳製品・醐味（だいご）をつくった中西牧場の中西さん。
・なのはな村の藤崎さん。無農薬無化学肥料の農業と福祉。
・無農薬・無化学肥料でブルーベリーを育てる。ブルーベリーを子どものおやつに。
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・マクロビオティックの教室を開いている徳丸さんい聞いてきました。マクロビのこと、食育のこと。
・チキン南蛮カレー王子に会ってきた。その誕生と人気のヒミツ。
・霧島屋久国立公園の保護管理をしている柳田さん。自然と共生するということ。
・しゃくなげの森。満開の色とりどりの花。
・島津伝承館の米澤さん。武士の資料と昭和天皇ご休息の本宅を観に来て。
・平和を願う来住さん。生い立ちと核廃絶署名が広がったわけ。
・牛乳のこと、酪農のこと。都城市酪農振興連絡協議会の会長平川さん。
・NPO法人こばやしハートムの尾崎さん。“１日30人と話そう会”で自殺予防に取り組む。
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・花ふぶき一座の宮田さん。ちんどん屋がくるとぱ～っと華やぎますよ～
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・「黒木哲徳教授（南九州大学人間発達学部学部長）」
・十儚画塾展。「画家、樋口十儚さん」
・「昭和八十四年」を見る会の本郷さんに話を聞いてみた。

　

　

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みんなの感想　～一言で～
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