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宮崎県,都城市, 山之口町, 市議会議員
【インタビュー】市議会議員の榎木さん。地方都市の今後を聞いてみました。
地方都市がかかえる問題は、とても深刻です。そして、中々、その深刻さが表にでてこないという現状があります。
都城市では、市町村合併によって4町が都城市に加わりました。さらに今後は、地方分権、道州制が進むことになるでしょう。
そんな中、今回は、山之口町に住んでおられる市議会議員の榎木さんにお話を聞いてみました。 榎木さんは、もともと地元で会社を経営していましたが、町づくりに関わっていくうちに、政治に関わる必要性を感じ、38歳で議員になられて、行政に関わってこられました。
合併によってどのような影響がありましたか。
「山之口町は、約7000人の人口があります。町として独立しているときは山之口町役場を中心に約150人の自治体職員がいました。これが、現在は職員は70人になり、数年後には10人になります。合併前は町議員が14人いましたが、山之口町在住の議員は、2人になりました。
これまでは、職員や議員に相談すると、すぐに駆けつけてくれて話しをしてもらえていました。しかし、これからそれができなくなってきます。」
特に大きく影響を感じることはありますか。
「やはり山之口町役場がなくなることが大きいと思います。これまで役場の運営で年間約8億円が使われていました。職員は、ほとんど山之口町の人たちで、山之口町で生活して、消費を地元でしてくださっていました。これが無くなると、山之口町内の消費は、冷え込むことになるでしょう。
市職員のみなさんは都城市役所に通いますから、市の中心で買い物をするようになりますし、自動車のガソリンも山之口町で入れることが少なくなります。」
「それから、これまで役場の職員が消防団を作っていました。一般の人は仕事ででているので火事があっても駆けつけるのに時間がかかります。職員の消防団がすぐに出動できていたおかげで、火事を小火(ぼや)で済ませられていたというのは大きいです。」
「また、幼稚園の民営化も進んでいます。山之口幼稚園が昨年の9月でなくなりました。民営化していくと、赤字経営はできないので地方都市だと厳しい面があります。」
「それから、宮崎銀行の山之口支店が、山之口支所になりました。お金の融資は、高城町まで出かけなければならなくなりました。」
「それから麓(ふもと)小学校では、複式学級になります。」
複式学級って何でしょう?
「今年の4月から、5年生、6年生が一緒のクラスで授業をします。前と後ろに黒板があって、それぞれ授業するときは、一方はヘッドホンをして自習することになります。」
今後、どのようにしていけばよいでしょう?
「まず、自分たちでできることは自分たちでやっていけるようになりたい。道のゴミを拾ったり、掃除をしたり、花を飾ったり、行政に頼らなくてもできることがあります。そして、行政がすべきこと、団体ができること、この3つをきちんと役割分担していく必要があると思います。」
「あとは、若手のリーダーが育ってくれるといいですね。私も青年団に入って色々なことを経験してきました。確かに労力が大きいわりに、お金にはならないことが多いのですが、町づくりに参加すると、違った喜びがあります。リーダーといっても、何か特別な能力が必要なわけではないんです。みんなのために僕ができることって何だろうと考えてくれたらいいと思います。」
最後に、何かありましたらどうぞ。
「今年の2月に市議会議員選挙があって、これから新しい議会運営が始まります。とにかく私の今の目的は、都城の人たちに住みやすいか、住みにくいかを聞いてまわりたいです。そして行政に頼らない町づくり。自分たちでどうするかを考えていきたいと思っています。 」
今日は、どうもありがとうございました。
榎木智幸さん。
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